Story
projectΓ2006の大きな流れをつづるストーリーのページです。
†prologue†
記憶が無く、ひたすら世界を”外”から眺める少女。
何も思わぬまま、求めず、動かずに。
もうすぐ1年になるとも知らずに。
時は素通りして流れ続け、
それは12月31日。
少女はまだ映りゆく季節を灰色の瞳に浮かべるだけだった。
そこに。
耳の奥をからめとる哀しき調べ。
首から提げた大きな石だけが煌々と光り。
心にざわめきが宿るのを感じた。
定めに呑まれない、強き祈りと。
奪えない、奥深き願い。
この胸に、
息づく、何かがある。
少女は旅を始める。
掴めぬ意志の導くまま。
惹かれる先、
過去に向かって。
時を、逆まき進む旅。
December
呼応:凍る扉に手をのべて
静寂―
全ての存在が薄く軽く、色も実体も透けている。
草も木も、空気に触れる表面は全て、霜をまとい温度を拒絶している。
哀しき調べが、少女の空虚な心に注がれ続け
世界を映すのみだった瞳が、目前の物質に呼ばれた。
朱赤の剣を中核とする大きな氷の碑石と。
その表面に映り、
流され続ける映像。物語。かつての現実。
今はもう忘れられた英雄達の、悲痛な面影。
respect - Jun.A「Bloody Brand」 ---> The Legendry
Remix † Ravy @ Scinicade
Guitar † misa @ Scinicade
Violin † TAM (TAMUSIC)
○ サンプル試聴 ○
[MP3 1.37MB / 192kbps Stereo]
凍りついていた感情が溶け出す痛みで、胸が熱い。
意図せず、己の指先が、求める。
触れたい。
焼けるように痛いとわかるのに。
伸ばした白い手は、氷をすり抜けて、
そして、剣に触れる。
瞬間、世界を覆っていた薄氷がわれ散り、
すさまじい吹雪となって身を洗う。
思わず隠した視界をおそるおそる広げると、
碑石は扉として立ちはだかっていた。
何も解からない。
だけど。
呼んでいると感じる。だから。
ただ吸い込まれるままに、
ゆっくりと踏み出し、その先へ歩き始めた。
November
哀傷:内なる悲しさに気付き
吹雪はしだいに細かい雨に変わっていった。
濃霧の海をただ進む。
やがてガラス細工のように透き通る廃墟の街に差し掛かった。
ふとただよう枯葉の湿った香りで息が詰まる。
掴めない不快感。嫌悪感で吐き気がする。
響き渡る赤い雷光を見上げて、足を止める。
それは、五感を震わせて脳の奥までをむやみに刺激してくる。
閉じ込めている胸の中にある真実を抉り取られそうで。
わからない。何も。
わからないままでいいのに。漠然と願う。
やがて夜から夕日が生まれ、西の方から差し込む黄金色の光。
どこからか悲しげなまなざしが体に流れ込む。
かつておそらくここで、同じ光を見た少女の記憶。
respect - 水奈瀬いつき「イノセントステイン」 ---> Innocent Stein -Secret Secred Stein-
Remix † Ravy @ Scinicade
○ サンプル試聴 ○
[MP3 1.39MB / 192kbps Stereo]
この風景は重力をもたない幻だ。
誰かの記憶。誰かの想い。
そして私も、私のものを持っているはずなのに。
今、この体から抜け落ちてしまっている。
なぜなのか。どうすればいいのか。わからない。
でも。
確かにあったはず。
不意に胸元の石が突風を放って。幻の割れる音。
いつのまにか、うずくまっていて、黒い縁のメガネが地面に落ちている。
激しく頭が痛む。
やっと顔をあげて、メガネを拾う。
さっきまでの街は忽然と姿を消していて、
残ったのは、無言で続く道。
この先が、呼んでいるの?
Octobar
迷走:答えを探る先の空の
疲れを感じて何気なく、天上を仰いだ。
遠い空、広い空、薄い空、さっきの遠雷。
いったい、どこへ向かっているのだろう。
self respect - misa「Rose rips tears」 ---> Rose kiss my soul
Remix † misa @ Scinicade
○ サンプル試聴 ○
[MP3 1.38MB / 192kbps Stereo]
このまま、ほのかに流れ込む花の
…金木犀の香りに甘えていられたら。
このままでいたい。
それは何も失わないから。
でも、ここでは求めるものは手に入らない。
だから動くしかないんだ。
抑え込まれてたココロが騒ぎ始める。
この不快感は、きっと理に抗っているからだ。
流れに逆巻いて進んでいるから。
それならば、その抗っていることに意味があるはず。
胸元に収まる首飾りの大きな石を握り締めて、
また歩みを進める。
次は。
どんな空間へ踏み込むのだろう。
September
魅了:輝きに瞳を奪われて
見上げると妖しい月がいつまでも輝いている。
ここに昼は無い。
respect - REDALiCE「Influence」 ---> Reactor Influence -TideWave-
Remix † Ravy @ Scinicade
○ サンプル試聴 ○
[MP3 1.39MB / 192kbps Stereo]
ヒトを変えるほどの魅力。
胸元の石が目覚めたように青白い光を宿している。
つい、見つめ続ける。
煌々と輝く光に瞳がとらわれて。
ほんの少し
August
追想:重なる記憶を感じ
陽炎が揺らぐ。
向かう先には蜃気楼が浮かぶ。
遠い…決して届かない情景が、いくつも。
あれは、遠いかつての年月の、遠い季節。
冬の色。
優しい雪の守る、あたたかい居場所。
冷たいのにやわらかい、絆。。
respect - 大臣「優しき雪の果て」 ---> Air Castle -浅き夢は果てにし-
3rd arrange of
聖剣伝説 Legend of Mana 「滅びし煌めきの都市」& 聖剣伝説2「天使の怖れ」
Remix † Ravy @ Scinicade
○ サンプル試聴 ○
[MP3 1.38MB / 192kbps Stereo]
ふと鼻先に冷たい雪が触れた気がした。
我に返って居る現実はやはり、灼熱の日差しで。
何も無い平地。
熱に浮かされながらも、歩みを進めていくと、
どこからかまた、記憶が耳に流れ込む。
これは、遠いかつての年月の、同じ季節。夏の音。
カラダが煮えてしまいそうだ。
ついに膝をつく。
全身が幻に蝕まれていく中、
ひときわ惹かれてやまない記憶に気づく。
それは、いつかの誰かの優しい面影。
ねえ…
ワタシはずっと・・・
あなたに惹かれて・・・
July
明瞭:その秘めたる温もりをくみ
ふと、破裂音に目を見開き体を起こす。
あたりは夜になっていた。
ひんやりとした空気がさしこむ。
そして、天上で弾けた花火が、絶えず降りしきってきていた。
何気なくその球の一つに手を伸ばすと、
体が急に吸い寄せられて風を裂き、
体が光の合間を高速ですり抜けていく。
respect - ぐっちりーに「Blending Rotation」 ---> Dream.
Remix † Ravy @ Scinicade
○ サンプル試聴 ○
[MP3 1.38MB / 192kbps Stereo]
まぶしい。
でも、あえて目を見開いて、進む先を見据えた。
そうだ。
この方向で間違いは、無い。
この果てにコタエがあると信じる。
あたかも尽きることが無いような光の雨に包まれて
自分の全てが、隅々まではっきり照らされるようだ。
うつむいては、いられない。
意味は、ある。
あきらかに。
June
観照:淡々と己を見つめ
いつしか、光は雫となって、
歩きだしてから何度目かになる雨。
そして、次第に闇が先を暗く隠す。
ただ、冷たくても今回はもう、歩みをためらう気にはならなかった。
わかってきた何かが、掻き立てて…
たくさんの持っていたはずの記憶は今、どこにあるんだろう。
ふと胸元の石が少し熱くなる感じがした。
目指すのはどこだろう。
心を占める疑問。
ただ足取りは緩まない。
respect - EDGE-SONG「Baby, Go Ahead!!」 ---> Shrouded Twin-EDGE -Power Core-
Remix † Ravy @ Scinicade
○ サンプル試聴 ○
[MP3 1.38MB / 192kbps Stereo]
淡々と降りしきる雨の中、
導くように続く道を辿っていく。
夜の先に、次の、紅い夕日が迎えるように輝きだす。
知っている、
この方向なら雨期の次は、新緑の季節。
May
瑞祥:覚醒の予感に誘われ
respect - Tsukasa「Scarlet Blow」 ---> velvet blow
Remix † Ravy @ Scinicade
Guitar † misa @ Scinicade
○ サンプル試聴 ○
[MP3 1.38MB / 192kbps Stereo]
本来沈むはずの、凛々しく閃いた紅い光は、
いつしか大気に溶けいって、
新緑の緑と赤いバラが、強い陽光の栄える。
爽やかな風が、雫を伴っていた金色の髪を乾かす。
かつては初夏から梅雨で、
昼から夜として、
ここを通り過ぎた、のに。
どうして今、遡りたどっているのか。
それを思うと毎回、熱い感情が喉元までこみ上げてくる。
でも。
まだ、わからない。
まだ。